日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下ヘルニア修復術を施行した腸骨採骨術後の腰ヘルニアの1例
宮坂 大介山口 晃司菊地 健司松永 明宏新関 浩人池田 淳一
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2013 年 74 巻 4 号 p. 1101-1106

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抄録

腰部には上腰三角,下腰三角と呼ばれる2つの腹壁抵抗減弱部が存在し,この部位に腹壁ヘルニアを発症することがあり,腰ヘルニアと称されている.今回われわれは,腹腔鏡下ヘルニア修復術を施行した腸骨採骨術後の腰ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は74歳男性.67歳時に頸椎圧迫骨折に対し椎体形成術を受け,その際に右腸骨採骨術が施行された.今回2年前より右腰部膨隆を自覚し当科初診.上行結腸をヘルニア内容物とする腸骨採骨術後の腰ヘルニアと診断し手術を施行した.左半側臥位,3ポートで手術を開始.回盲部を授動し,4.2cm大のヘルニア門を剖出,3cmのオーバーラップを確保するため直径10cmの円形に形成したバードコンポジックスメッシュ®を留置,全周をアブソーバータック®で固定,回盲部を腹壁に数針固定し,良好な視野,操作性のもと終了とした.術後経過良好で第6病日退院,術後7カ月再発なく経過中である.

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© 2013 日本臨床外科学会
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