日本臨床外科学会雑誌
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症例
Pseudo-Meigs症候群を呈した上行結腸癌卵巣転移の1例
小松 英明長嵜 寿矢柴田 良仁山口 広之中島 正洋
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2011 年 72 巻 7 号 p. 1858-1863

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抄録

症例は49歳,女性.健診にて貧血を指摘され,腹部膨満感もあり近医受診.当院にて精査となった.大腸内視鏡検査にて上行結腸に2型の腫瘍を認め生検にてGroup5,中─低分化腺癌の診断であった.CT上両側卵巣に大きな多房性嚢胞性腫瘤と右胸水,腹水貯留を認めた.上行結腸癌,同時性卵巣転移の疑いにて右半結腸切除+D3郭清,子宮付属器摘出を施行した.免疫染色にて大腸癌卵巣転移の診断確定となった.術後胸腹水の再貯留は認めず転移性卵巣腫瘍により発症したpseudo-Meigs症候群と考えられたので報告した.

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© 2011 日本臨床外科学会
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