2011 年 72 巻 6 号 p. 1474-1478
症例は85歳,女性.腹痛,嘔吐を主訴に救急外来受診,腸閉塞の診断のもと入院となる.イレウスチューブ挿入にて症状は改善,チューブの先端は横行結腸に達するが,一時的に回腸末端に停滞する傾向があった.術前確定診断には至らなかったが,腹腔鏡手術を施行した.手術所見では盲腸は後腹膜に固定されておらず,イレウスチューブ通過により正常な位置にあったが,盲腸漿膜には瘢痕化した部分が存在し,腸間膜と一部癒着しており容易に180度回転する状態であった.手術診断は盲腸捻転,術式は腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行し,軽快退院となった.