日本臨床外科学会雑誌
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症例
魚骨による虫垂穿孔の1例
平岡 俊文前田 佳之長谷 諭田原 浩布袋 裕士三好 信和
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キーワード: 魚骨, 虫垂穿孔, 腹腔内膿瘍
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2010 年 71 巻 9 号 p. 2379-2382

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抄録

症例は81歳,女性.1週間程度前より右下腹部痛を認めていた.症状改善しないため,近医受診.腹部CTで腫大した虫垂と回盲部周囲膿瘍を認め,急性虫垂炎,回盲部膿瘍の診断で当院紹介となった.右下腹部に腹膜刺激症状,血液検査では高度炎症所見を認め,虫垂穿孔性腹膜炎,盲腸周囲膿瘍の診断で緊急手術を施行した.虫垂は一部壊死しており,穿孔を認めた.穿孔部周囲に膿瘍を伴い,膿瘍内に魚骨を認め,魚骨による虫垂穿孔性腹膜炎と診断した.術後,腹部CTを再検討すると,膿瘍内と思われる部位に線状構造物を認め,腹部CTで魚骨を指摘することが可能であった.魚骨による虫垂穿孔は,非常にまれであり,術前に診断することは非常に困難であるが,注意深い術前評価が必要であると思われた.

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© 2010 日本臨床外科学会
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