日本臨床外科学会雑誌
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潜在性乳癌が疑われた悪性黒色腫の1例
二本柳 康博朴 英進加藤 良二山口 宗之蛭田 啓之亀田 典章
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2006 年 67 巻 2 号 p. 306-310

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抄録

55歳,女性.右腋窩腫脹を主訴に当院初診.穿刺吸引細胞診にて腺癌のリンパ節転移が推定された.精査を勧めたが,本人希望にて転院.他院でマンモグラフィ,乳腺・腹部・子宮超音波検査,胸部X線,上部・下部消化管内視鏡検査をするも,腺癌病巣は同定されず,潜在乳癌が疑われ当院乳腺外科へ再紹介となった.当科におけるマンモグラフィ,乳房超音波検査, MRI, CT上乳癌病巣は同定されず,腫大した多数の腋窩リンパ節を認めた.腺癌転移を確定する目的でリンパ節摘出術を施行した.組織学的診断は悪性黒色腫であった. 45歳頃,右肘と眉間に自然消退した黒子の存在が再度の問診にて判明した.今回われわれは潜在乳癌が疑われた悪性黒色腫の1例を,若干の文献的考察を加えて報告する.

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