日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
右肺原発ciliated muconodular papillary tumorの1例
小野 紘輔藤崎 成至今岡 洸輝平田 雄三福田 三郎先本 秀人
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 79 巻 7 号 p. 1417-1421

詳細
抄録

症例は75歳,女性.検診の胸部CTにて右肺S6に6mm大の結節影を認め,7年間の経過で6mmから8mmと緩徐な増大を示した.腫瘍マーカーはproGRPの軽度上昇を認めるほかは異常なく,FDG-PETでは軽度のFDG集積(SUVmax=1.9)を認めた.腺癌・カルチノイド・肉芽腫性病変を疑い,診断治療目的に手術を行う方針とし胸腔鏡下右肺下葉切除術を行った.病理組織学的には,線毛円柱上皮・杯細胞・基底細胞が肺胞壁を置換するように乳頭状に増殖する像を認め,ciliated muconodular papillary tumor(CMPT)と診断した.CMPTは,報告例が少なく,良悪性の位置づけに一定の見解がない稀な疾患である.今回われわれは,本疾患の1例を経験したため文献的考察を含め報告する.

著者関連情報
© 2018 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top