日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
腹腔鏡下大腸切除術後のイレウス症例の検討
竹中 芳治佐々木 貴浩福岡 麻子星野 博之宮島 伸宜大坪 毅人
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2013 年 74 巻 7 号 p. 1749-1753

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抄録

目的:腹腔鏡下大腸切除術(LAC)後1年以内に発症したイレウス症例を検討した.
方法:大腸癌の診断で2009年1月から2012年6月の間に施行したLAC220症例のうち術後1年以内に発生した,嘔吐・腹部膨満・腹痛の症状を有し早急な腸管減圧が必要と判断されたイレウス症例で発症,治療,経過,予後について検討した.
結果:LAC後イレウス症例は全体の5%,11例.結腸癌7例,直腸癌4例.結腸癌で入院中発症4例,退院後発症3例,直腸癌で入院中発症1例,退院後発症2例,両方での発症1例であった.術後早期発症3例を含む4例で保存的治療が奏功せず,小腸切除術2例,癒着剥離術2例を施行した.
結語:LAC後は腸管運動機能低下が速やかに回復するものの癒着に由来するイレウスが術後早期に発生し,手術を要する症例が少なからずあることが示された.

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