日本大腸肛門病学会雑誌
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3.大腸進行癌に対する腹腔鏡下大腸切除術の適応と手技
リンパ節郭清の問題点
小西 文雄永井 秀雄岡田 真樹小沢 昭人金澤 暁太郎
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1997 年 50 巻 10 号 p. 1138-1144

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抄録

腹腔鏡補助下結腸切除術は,一般的には,大腸内視鏡によって摘除できないような腺腫や早期癌に対して施行されている.しかし,結腸進行癌に対しても症例を選択して施行すれば通常の開腹手術と同じ範囲のリンパ節郭清を施行することができ,根治的な手術となりうると思われる,広範囲な癒着が予想されるような開腹手術の既往がないこと,肥満体でなく腸間膜の脂肪が少ないことが予測されること,病変の部位が盲腸,盲腸に近い上行結腸,S状結腸中ほどの病変であること,などの条件がそろえば,腹腔鏡補助下手術で第2群,第3群までのリンパ節郭清が可能であり,根治的な手術となりえると考えられる.われわれは,29例の大腸進行癌に対して本術式を施行した結果,適切に症例を選択して行えば,開腹手術と同様のリンパ節郭清が可能で,根治的な手術となると考えられた.しかし,欧米においてportsiterecurrenceの報告もあるので,今後の遠隔成績の結果を検討する必要がある.

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