てんかん研究
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Hans Berger褒賞研究報告書
てんかんのある子どもとその家族のためのてんかん学習プログラムfamosesの導入および有用性に関する研究
美根 潤大谷 英之西田 拓司西村 亮一山﨑 美鈴高橋 輝原 稔枝松田 春美杉山 理彩鈴木 健之井上 有史
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2020 年 38 巻 1 号 p. 43-53

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抄録

【序論】

famosesはトレーナーを交えた小グループで行う双方向的なてんかん学習プログラムである。本研究の目的は、日本版famosesを開発・実施し、その有用性を検討することである。

【対象・方法】

対象:てんかん治療のため当院入院中の小児、およびその親や家族で、本研究の参加に同意した者。

方法:①親と家族のコース、②子どものコース(7~13歳)にわかれ実施した。コースの効果を、質問紙、心理検査等を用い参加前後、6カ月後に評価した。

【結果】

親と家族のコースに児17名の親18名、子どものコースに9名が受講した。いずれも発作頻度が多く難治例であった。親の評価では、てんかんの知識、子どもの自律への促し、児のてんかんへの親のコーピングが向上した。社会性やコミュニケーション能力の高い児でQOL等が改善し、特にこのような例での有用性が期待された。

日本版famosesは有用な心理教育ツールであると考えられた。

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© 2020 日本てんかん学会
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