全日本鍼灸学会雑誌
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原著
鍼灸臨床における感染防止対策の現状
近畿地方の開業鍼灸師を対象としたアンケート調査
新原 寿志角谷 英治谷口 博志北出 利勝
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2009 年 59 巻 5 号 p. 464-476

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抄録

【目的】国内の鍼灸臨床における感染防止対策の現状と問題点を明らかにし、 その方策について検討するためにアンケート調査を行った。
【方法】対象は、 iタウンページに登録された近畿地方の開業鍼灸院1,000件とした。 アンケート項目は (1) 回答者プロフィール、 (2) 手洗い、 (3) 手指および施術野の消毒、 (4) 鍼具の滅菌・保管およびディスポ製品、 (5) ディスポーザブル鍼の使用状況と感染性廃棄物の処理、 (6) 押手、 (7) 感染防止対策の自己評価とした (平成19年10月実施)。
【結果】アンケート回収率は31.8%であり、 高圧蒸気滅菌器の使用率は63.2%、 ディスポーザブル鍼単独使用率は56.9%、 素手による押手は82.3%等であった。
【まとめ】ディスポーザブル鍼の使用率が増加するなど、 いくつかの対策は改善されている一方で、 鍼具の滅菌や感染性廃棄物の処理など、 基本的な感染防止対策が疎かにされてきていることが示唆された。

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© 2009 社団法人 全日本鍼灸学会
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