全日本鍼灸学会雑誌
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各種顔面痛に対する鍼灸療法の適応と効果
小田原 良誠北出 利勝篠原 昭二森川 和宥兵頭 正義
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1982 年 31 巻 3 号 p. 284-289

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抄録

顔面痛を詳しく診断すると, 特発性三叉神経痛, 膝状部神経痛, 舌咽神経痛, 非定型顔面痛などに分類される。そこで, ペインクリニックにおいて診断された特発性三叉神経痛を含む,“いわゆる顔面痛”に対する治療効果を検討した。昭和41年開設以来大阪医大ペインクリニックに来院した特発性三叉神経痛患者 (410例) は, 女性に多く60歳代を中心に高齢者で70%と多く, 罹患部位は, 第II, III枝で73%を占めた。
“いわゆる顔面痛”(180例) では, 20~60歳と幅広い年代で, 非定型顔面痛 (55例) では, 30代を中心に若年者に多く, 頬部, 額部, 眼部の領域で74%を占めた。治療効果は, 三叉神経では, 有効例がブロック, 鍼灸治療とも約50%に有効であるが, 鍼灸治療を行った群では無効例が極端に少なくなる傾向がみられた。

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