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ガドリニウムイオン付活グラセライト結晶のESRイメージングへの応用
太田 雅壽古川 博朗
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1997 年 46 巻 2 号 p. 65-71

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抄録

被ばく線量の計測と同時に放射線の被ばく方向も判別できる放射線検出方法としてESRイメージング法が, 最近注目されるようになってきた。そこで, 高感度なESR線量計用素子として開発した, 3価で安定なガドリニウムイオンで付活したグラセライト (K3Na (SO4) 2) 結晶および磁場勾配方向の調整が可能な自作した装置を用いて, X線照射後におけるESR測定を行った。得られたESR測定データは, 自作した波形処理および画像形成用プログラムを用いて処理することによりESRイメージング画像を作成し, ESRイメージング画像とX線照射に対するX線吸収線量および照射方向性との相関性を調べた
この結果, 20μGyから100Gyまで広範囲のX線吸収線量にわたって, ESRイメージング画像におけるスピン濃度分布は, X線の照射方向と対応しており, X線吸収線量とほぼ比例関係にあることがわかった。

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