RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
三次元吸収線量評価における累積放射能分布のボクセルサイズの影響
内田 勲山田 康彦小山田 日吉丸伊藤 彬山下 孝
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 46 巻 3 号 p. 154-160

詳細
抄録

内用療法において, 標的領域の三次元絶対吸収線量分布の正確な評価は, ボクセルを基本とした計算アルゴリズムに基づいて, すでに著者らによって開発された3D DOSE MATRIX法を用いて行い得る。本研究の目的は, β線放出核種の累積放射能分布の単位ボクセルの大きさが三次元絶対吸収線量評価に及ぼす影響を明らかにすることである。
種々のβ線放出核種 (32P, 90Y, 131I, 186Re, 188Re) が均等に分布していると仮定した標的領域として, 立方体ファントム (24×24×24mm, 32×32×32mm, 48×48×48mm) およびMIRD甲状腺ファントムを使用してコンピュータシミュレーションを行った。種々の単位ボクセルサイズ (1×1×1mm, 4×4×4mm, 8×8×8mm) から成るそれらのファントムに対する最大, 平均および最小吸収線量が開発した3D DOSE MATRIX法を用いて評価された。
種々の単位ボクセルサイズから成る標的領域の三次元累積放射能分布がたがいに同一ならば, 標的領域の最大および平均吸収線量は, 単位ボクセルサイズに依存しなかった。しかし, 最小吸収線量は, 単位ボクセルサイズが大きくなるにつれ過大評価された。

著者関連情報
© 社団法人 日本アイソトープ協会
前の記事 次の記事
feedback
Top