1977 年 26 巻 7 号 p. 443-446
塩化アルカリの水銀法電解プラントで働く作業員の尿につき, 痕跡量の水銀を放射化分析法で定量した。照射後, 水銀の化学的分離には, 硝酸酸性溶液を銅粉末と振りまぜて, 水銀を析出させるアマルガム析出法を用いた。分離条件を検討した結果, 銅粉末の最適添加量は400~500mg, 溶液のpHは1, 振りまぜ時間は10minでよいことがわかった。45試料について得られた水銀含有量は33~600ppbであり, その量は作業条件と密接な関係のあることが示された。