陸水学雑誌
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邦産ヤツメの変態後に於ける外部形態変化
岡田 雋
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1937 年 7 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

1. 秋に現れるスナヤツメLampetra planeri (Bloch)は兩背鰭が分離し二次性徴を缺く。
2. 此の状態は翌春産卵期の約1ケ月位前まで績く。その後次第に兩背鰭は連績し二次性徴も現れ,始めて,遂に産卵期にはtypicalなスナヤツメに變化する。
3. 産卵期のスナヤツメの齒は秋期のものより多少退化の傾向がある。
4. 産卵期のスナヤツメは秋期に於けるものよりも2~3cmの體長の縮小を行つてゐる。
5. カハヤツメの一異型Lampetra fluviatilis minor Kudo et Asada は恐らくスナヤツメの産卵期以前のものであらう。
6. ミツクリヤツメLampetra mitsukurii Hatta もスナヤツメと同樣産卵期以前に於ては,兩背鰭が分離し二次性微を缺く。此状態のものはカハヤツメ L.fluviatilis (Linué)に甚だ酷似してゐる。恐らく兩者は同一種のものであらう。

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