日本助産学会誌
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助産師のための周産期の家族役割獲得の理解と認識を向上させる研修プログラムの開発と評価
礒山 あけみ衣川 さえ子
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2020 年 34 巻 1 号 p. 61-68

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抄録

目 的

助産師のための周産期の家族役割獲得の理解と認識を向上させる研修プログラムを開発し評価する。

対象と方法

研修プログラムは,ADDIEモデルを方法論的枠組みとし,先行研究を基盤としてニーズ分析及び目的と構成を考案し,勤務助産師に対しオンラインによるe-learning視聴と集合研修のブレンド型研修を実施した。便宜的標本抽出による準実験研究とし,1群の介入前後(介入後にはe-learning後の知識習得確認テストと集合研修後の評価)の自己記入式質問紙調査により,周産期の家族役割獲得支援に対する理解および認識に関連して設定した質問項目を測定した。

結 果

25名の助産師経験年数は10年未満7名(28.0%)10年以上18名(72.0%)であった。家族役割獲得を促す支援に関する理解と認識は「家族への支援の必要性を感じる」(p=.02)において介入後(集合研修後)に有意に上昇し,「家族のニーズが分からない」(p=.02),「家族への具体的ケアが不透明」(p=.04),「妊娠中からの家族ケアは大事だが現状難しい」(p<.001)は,介入後(集合研修後)に有意に低下した。

結 論

本研修プログラムは,助産師に対する周産期の家族役割獲得に関する知識習得に役立ち,家族役割獲得を促す支援に対する認識を高めることの有用性が示された。

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