日本小児アレルギー学会誌
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原著
小児救急(時間外)診療における即時型食物アレルギー患児の臨床的検討
磯崎 淳小川 倫史野間 剛川野 豊中村 陽一
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2007 年 21 巻 5 号 p. 679-684

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抄録

即時型食物アレルギー反応で救急(時間外)受診する患児についての詳細な報告は少ない.2005年4月から2007年3月の2年間,即時型食物アレルギー反応のため救急(時間外)受診した患児55例を対象として,後方視的に(1)年齢分布,(2)小児救急(時間外)診療に占める割合,(3)来院方法と救急搬送に占める割合,(4)受診時刻,(5)受診までの時間,(6)原因食物,(7)症状と重症度,(8)治療および転帰,を検討した.年齢,症状,原因食物は,平成14年度厚生労働科学研究報告とほぼ同様の傾向にあった.小児救急(時間外)診療に占める割合は,0.44%であり,救急車による搬送を受けたものは11例(20.4%),全救急搬送の0.76%を占めた.受診時刻は,夕食で発症したと考えられる18時以降に集中しており,半数以上が発症から90分以内の受診であった.比較的重症例が多く,アドレナリン投与を行ったものが5例(9.1%)であった.
小児救急医療体制の変遷の中で,食物アレルギーの初期対応の啓蒙とアレルギー専門医との診療連携の強化が必要である.

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© 2007 日本小児アレルギー学会
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