食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
報文
GC/MSを用いた加工食品中の残留農薬一斉分析法の検討
北川 陽子起橋 雅浩高取 聡岡本 葉福井 直樹村田 弘住本 建夫尾花 裕孝
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 50 巻 5 号 p. 198-207

詳細
抄録

GC/MSを用いた加工食品中の残留農薬一斉分析法の検討を行った.試料に添加した農薬を酢酸エチルで抽出し,アセトニトリル/ヘキサン分配により脱脂を行った.さらにグラファイトカーボンブラック/PSA積層カラムにて精製を行い,GC/MSにより測定を行った.222農薬を測定項目とし,5種類の加工食品(餃子,レトルトカレー,フライドポテト,鶏唐揚げ,白身魚フライ)を対象に添加回収試験(添加濃度0.02および0.1 μg/g)を行った.2濃度の添加回収試験において,良好な結果(平均回収率70~120%,相対標準偏差 20% 以下)を示した農薬数は100農薬であった.さらに,これらの前処理方法を用いて,市販の加工食品75検体について残留農薬の実態調査を行ったところ,フライドポテト1検体からクロルプロファム(0.04 ppm)が検出された.

著者関連情報
© 2009 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top