食品衛生学雑誌
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調査・資料
ウナギ加工品における総水銀およびメチル水銀の残留調査
佐藤 直之石井 敬子佐藤 昭男田中 康夫日高 利夫長岡 登
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2005 年 46 巻 6 号 p. 298-304

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抄録

ウナギ加工品(蒲焼,肝串焼)52検体を試料として総水銀,メチル水銀の残留調査を行った.蒲焼,肝串焼の総水銀濃度はそれぞれ平均で0.21 ppm, 0.10 ppmであり,メチル水銀濃度は平均で0.085 ppm, 0.039 ppmであった.総水銀に対するメチル水銀の割合は,蒲焼では60~80%,肝串焼では35~65% のものが多かった.蒲焼,肝串焼ともに総水銀濃度が暫定的規制値を超えた検体のメチル水銀の割合は20% 以下と低い値であった.蒲焼の筋肉と皮を分けて測定した結果,皮の総水銀およびメチル水銀濃度は筋肉の約1/10~1/4の値であった.蒲焼,肝串焼1串当たりからの総水銀摂取量はそれぞれ平均で24.6 μg, 3.1 μgであり,メチル水銀摂取量は平均で10.4 μg, 1.2 μgであった.

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© 2005 公益社団法人 日本食品衛生学会
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