食品衛生学雑誌
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食品用シリコーンゴム製品中の残存化学物質
河村 葉子中島 明子六鹿 元雄山田 隆米谷 民雄
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2001 年 42 巻 5 号 p. 316-321

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抄録

ゴム製品のうち食品用に最も広範に使用されているシリコーンゴム製のほ乳器用乳首,密閉容器や魔法瓶などのパッキング,調理用ヘラの合計23検体について残存化学物質を検討した.材質中には酸化防止剤のBHT, 可塑剤のフタル酸ジブチル及びフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)が検出されたが,検出頻度,検出量ともにそれほど高くはなく,乳首からはいずれも検出されなかった.一方,全検体からシロキサンが6~25個程度結合した環状ポリジメチルシロキサン群が検出された.残存量の合計は 3,310~14,690 μg/g と概算され,主に未反応原料又は副生成物由来と推定された.溶出試験において,20% エタノールではいずれの溶出も認められなかったが,n-ヘプタンではDEHP及び環状ポリジメチルシロキサンの溶出が見られた.

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© 2001 公益社団法人 日本食品衛生学会
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