2012 年 61 巻 10 号 p. 392-396
冷間加工が高温水中における18Cr-8Ni(18-8)オーステナイトステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)進展過程に及ぼす効果を評価する方法が,電気回路モデルを用いて定量的に考察されてきた.本論文では導出されたSCC進展速度評価式において,き裂先端の分極抵抗に関連するパラメーターを考察することにより,冷間加工及び溶接HAZ部が高温水中のステンレス鋼のき裂進展速度に及ぼす効果及び鋭敏化処理との複合効果を当該導出式を用いて評価できることを確認した.