本研究では,回路を構成する素子のパラメータを設定する学習を電気回路の設計学習と定義し,生徒が構想した使用目的・条件を満たす要素の選択(抵抗値の設定)を行う学習に着目した。しかし,電気は元来不可視であり,電圧・電流の概念が獲得できていない状態で要素の選択を行うことは困難である。そこで,照度センサ付き回路を対象とし,回路に必要な素子の電気的特性を自動で測定し,測定した入出力関係から目的の動作を実現するために必要な抵抗値をシミュレーションにより求めることができる教具を開発した。開発した教具による授業実践を通して,電気回路の設計学習を照度センサ付き回路に適用することの有用性及び開発した教具の効果を検証した。