交通学研究
Online ISSN : 2434-6179
Print ISSN : 0387-3137
地域鉄道の価値-CVMによるアプローチ
宇都宮 浄人
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 60 巻 p. 15-22

詳細
抄録

地域鉄道にはバスにない存在価値があるとされるが、その定量化は必ずしも進んでいない。本稿では、性格の異なる3つの鉄道を対象に、バスを基準にした鉄道の相対的な割増価値(プレミアム)をCVMにより測定した。その結果、沿線住民は、直接的な利用者以外も含め、富山ライトレール、近江鉄道ではバスよりも2割程度、若桜鉄道では1割程度の鉄道のプレミアムを見出しており、鉄道の存在価値が相当程度あることを示唆する結果となった。また、運行頻度が高まった場合についても、直接的な利用者以外の人も含め、沿線住民は相応の運賃の割増支払いの意思があるとの結果が得られた。

著者関連情報
© 2017 日本交通学会
次の記事
feedback
Top