弘前医学
Online ISSN : 2434-4656
Print ISSN : 0439-1721
原著
治療抵抗性潰瘍性大腸炎における Transforming growth factor-β 受容体の発現抑制
島谷 孝司石黒 陽川口 章吾佐藤 裕紀平賀 寛人山口 佐都子櫻庭 裕丈藤田 均山形 和史福田 眞作
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2008 年 59 巻 2-4 号 p. 90-97

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抄録

 炎症性腸疾患は,潰瘍性大腸炎 (Ulcerative colitis: UC),クローン病 (Crohn's disease: CD) を含む原因不明の難治性炎症性腸疾患である.その病態には,Smad を介した Transforming growth factor-β (TGF-β) シグナル伝達の異常が関与していることが報告されている.そこで, ステロイド治療抵抗性UC,ステロイド治療反応性UC の TGF-β受容体Ⅰ,Ⅱ型の蛋白量及び mRNA発現量について,腸管手術標本を用い Western blotting と Real-time PCR で検討した.ステロイド治療反応性UC と比較しステロイド治療抵抗性UC で,TGF-β受容体Ⅰ,Ⅱ型の蛋白量,mRNA発現量ともに有意な低下を認めた.このことから,遺伝子レベルでの TGF-β受容体の発現の低下がステロイド治療抵抗性UC の病態に関与している可能性が示唆された.

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© 2008 弘前医学編集委員会
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