2011 年 vol.4 巻 04 号 p. 1-7
要 旨
喘息の発症、増悪の危険因子の1つとして、喫煙は重要である。ここでは、タバコと喘息の関係について述べた。喫煙
率をみると、男子は減尐傾向にあるが、女性は横ばいである。喫煙は、急性の喘息発作症状を導き、喘鳴の有症率を上昇
させるが、中止によって喘鳴は減尐する。また、肺機能を低下させ、重症化させる。気道の反応性を亢進し、気道の炎症
を起こす。しかし、高年齢になってからでも禁煙することは意味があり、小児や乳児でも同様に考えられている。受動喫
煙も喘息発症・発作誘発因子となる。特に母親の喫煙に曝露された小児ではリスクが増大する。現喫煙者、喫煙経験者、
非喫煙者の順に血清IgE値は増加するとされアレルギーの観点からも悪化因子である。