2017 年 25 巻 1 号 p. 21-27
本稿では,ロボット工学者の森政弘が提唱する「非まじめ」の発想を考慮して授業担当教員による創作舞踊を取り入れた授業実験を実施するための方法論的な検討を行い,併せて学部1年生を対象とした実験を試みた.今回の授業実験結果より,平均的にみて男子学生よりも女子学生の方が創作舞踊を演ずる踊り手である教員の身体の動きを,身体で受けとめ,さらに同調することを通して創作舞踊を理解している可能性があるということが示された.以上の結果をふまえて,筆者らは,講義を通して知識を学生に習得させることの重要性を認めつつも,講義における多様性の確保の観点を考慮して,様々な授業体験ができるように工夫された学部・大学院教育の試みを追及していく必要があると考える.