2006 年 16 巻 2 号 p. 105-115
本研究の目的は意見対照ゲーム“ICHIBA"を開発することである.“ICHIBA"とは,日本語での「市場」のことであるが,その頭文字によって,「境界知覚による水平的統合のための対人的比較」というゲームの内容をも表している.このゲームの手続きは,次のとおりである.1)与えられたテーマに基づき,自分にとって最も印象的な意見を学げる,2)大勢の人が集まる「市場」のように,オープンスペースを歩き回り,話をするパートナーをみつける.3)お互いがもっている考えを説明し,比較する.4)もし両者の考えが似ていたら,1つのグループとなる.5)さらに,似た意見をもつ個人やグループを探し回る.6)もし似た意見をもつ人やグループを探すことができなければ,一人のままである.7)もし他の人の意見が自分のそれよりも気に入るものであれば,自分の意見を変えてその人と同じグループになってもよい.“ICHIBA”はシンプルなゲームであり,本研究では振り返りの技法として検討を行った.