地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
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論文
水平荷重を受ける地盤補強型基礎における補強材打設角度の影響評価
井澤 淳日下 寛彦中谷 登上野 誠佐藤 博桑野 二郎
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2008 年 3 巻 1 号 p. 55-71

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抄録

地盤補強型基礎工法は,道路橋梁基礎および送電鉄塔基礎の支持力確保のためのコストダウン工法として開発され,実適用によりコスト縮減に効果を上げてきた。本研究は,近年増加している径5m以上の大口径深礎に対応した工法への改良に向けた,合理的な補強形態の把握を目的としている。水平荷重を受けた大口径深礎は剛体的に回転すると考えられ,回転に対して有効に補強効果を得られる角度で補強材を打設する必要がある。そこで補強材打設角度に着目し,その影響について遠心場水平載荷試験にて検証を行った。実験から水平荷重を受ける地盤補強型基礎工法の補強メカニズムを明らかにした。また,打設角度45°で補強材に効率的に軸力が発生する補強形態となり補強効率は最適になった。この補強材に作用する軸力は,補強材に作用する周辺地盤からの拘束圧に対する打設角度の影響と,地盤の最小主ひずみ方向と補強材打設方向の差を考慮する補正係数f(θ)を評価することにより算出できた。これらの結果をもとに,梁バネモデルを用いた地盤補強型基礎の抵抗モーメント評価法を示した。

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© 2008 公益社団法人 地盤工学会
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