2006 年 1 巻 4 号 p. 131-142
本研究は,2種類の凍上試験で構成されている。一つは不攪乱の岩石供試体を用いた凍上試験,もう一つは人工的に破砕した引張強度を持たない岩石供試体を用いた凍上試験である。不攪乱の岩石供試体の凍上試験は,その凍上性を調べるために行われた。凍上試験の結果,大谷石と来待砂岩を凍上性岩石,札幌軟石を非凍上性岩石に分類することができた。また,凍上性岩石と非凍上性岩石の物性値について比較を行い,いくつかの明らかな違いがあることがわかった。人工的に破砕した岩石供試体の凍上試験は,破砕の影響を調べるために行われた。試験には,地盤工学会で定められた土の凍上性を判定するための試験方法を適用した。凍上試験の結果,岩石の凍上性は破砕によって増幅されることが明らかになった。また,非凍上であった岩石が破砕によって凍上を起こすようになることも明らかになった。