日本植物病理学会報
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ナス土壌伝染性病害における宿主内諸酵素活性と病害診断
瓦谷 光男草刈 真一守田 伸六田中 寛
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1994 年 60 巻 4 号 p. 507-513

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抄録

ナスの土壌伝染性病害感染について,葉中の8種の酵素活性を測定し,それぞれの病害に特徴的な活性の変化を調べた。
半身萎ちょう病株では,β-1, 3-グルカナーゼ,ポリガラクツロナーゼ,アミラーゼの活性が健全株に比べて明らかに高かった。
半枯病株では,アミラーゼの活性が健全株に比べてやや高かったが,青枯病との差が明瞭ではなかった。
青枯病株ではペルオキシダーゼ,スーパーオキシドジスムターゼ,アミラーゼで,健全株に比べて高い活性がみられた。特にスーパーオキシドジスムターゼの活性増加は顕著であった。
これらの結果から,ナスの健全株からの採取葉を対照にして,β-1, 3-グルカナーゼ,ポリガラクツロナーゼ,アミラーゼの活性が高ければ半身萎ちょう病,ペルオキシダーゼ,スーパーオキシドジスムターゼ,アミラーゼの活性が高ければ青枯病と判定できると考えられる。

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