知能と情報
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原著論文
周辺視ディスプレイと振動デバイスを利用した歩行誘導効果と感覚統合のモデル構築
渡邊 紀文森 文彦大森 隆司
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2016 年 28 巻 3 号 p. 608-616

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抄録

人間の歩行は,視覚,平衡感覚,体性感覚など多様な入力からの感覚運動経路を通って制御されている.しかし現時点ではその感覚運動経路についての詳細は明らかではない.そこで,本研究では,足元に振動刺激を与えることにより体性感覚を減衰させ,更に周辺視野にオプティカルフローを提示することにより視覚優位の自己運動感覚を発生させて歩行に影響を与える可能性を評価した.具体的には周辺視野に対して進行方向にオプティカルフローを呈示している状態から,フローを左右に変化させることで左右方向の自己運動感覚を与える.その際,体性感覚の自己運動感が振動により減衰していることで,自己運動感覚と逆方向に歩行することを確認した.本研究ではこの実験結果を基に,歩行における視覚と体性感覚の統合機構について検討した.

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© 2016 日本知能情報ファジィ学会
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