1982 年夏, 広島県水産試験場淡水魚支場の試験池で飼育されていたニシキゴイ当才魚のなかに腹部膨満や腹水貯溜などの症状を示す病魚が認められ, それらの腸管より一種の球胞子虫が発見された。また, 1984年春には同支場のクロダイ1才魚より別種の球胞子虫が発見された。それらの球胞子虫の形態, 宿主, 寄生部位あるいは出現の季節性などから, 前者をヨーロッパやそ連でよく知られているコイのコクシジウム腸炎の原因である Goussia carpelli, 後者をコイのコクシジウム結節症の原因である G. subepithelialis と同定した。