1994年から1998年にかけて, 沖縄島から石垣島の14ヶ所でブリとカンパチを用いた飼育試験により奄美クドア(Kudoa amamiensis)の地理的分布を調査した。本部海域における奄美クドア寄生率はブリで70~100%, カンパチで30~90%であったが, 他の海域ではブリで0~9%, カンパチで0~1%と顕著に低かった。カンパチはブリに比べて感受性が低く, 寄生強度(筋肉1g当たりの“シスト”数)として1桁程度低かった。K.iwatai の感染もまれにみられたが, 寄生強度は奄美クドアに比して非常に低かった。