日本食品科学工学会誌
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アカメガシワ葉エキス末摂食によるラット皮膚および脂質代謝への影響
大石 祐一菱田 結衣八巻 泰子山根 拓実岩槻 健吉仲 宏揮丸山 広恵河野 宏行
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ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: NSKKK-D-23-00105

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抄録

皮膚は体内からの水分蒸散、外界からの異物侵入の防御を担っている。これら作用には皮膚構成分子が大きな役割を果たしており、これら分子は、加齢や栄養状態により制御されるホルモン、サイトカインの影響を大きく受ける。アディポネクチンは皮膚コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド量を増加させ、肝臓脂質量を減少させ、アカメガシワ葉エキスは3T3L1細胞のアディポネクチン量を増加させることが見出されている。そこで、アカメガシワ葉エキス末摂食の皮膚構成分子、脂質代謝への影響について、コラーゲン合成、ヒアルロン酸量、セラミド量を減少させる高脂肪食摂食下のラットを用いて検討した。アカメガシワ葉エキス末0.3%含有食の1か月間の摂食は、コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド量を増加させた。また、血清中コレステロール量には影響しなかったが、精巣周辺脂肪量を有意に減少させた。以上の結果、アカメガシワ葉エキス末摂食は皮膚機能改善効果があり、脂質量を減少させる可能性があると考えられた。

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