2021 年 68 巻 7 号 p. 328-338
自然発酵ワイン沈殿物,本学キャンパスおよび市販の植物材料から野生酵母225株を分離した.この中から選抜した59株を用いブドウ灰色カビ病の病原菌Botrytis cinereaに対する抗カビ作用をin vitroで評価したところ,強い抗カビ作用を示す20株が得られた.この内,最も多くの16株が得られたSaccharomyces cerevisiae について,遺伝子多型解析による株鑑別を行い,抗カビ作用を比較したところ,株型ごとに抗カビ作用の強さが異なることがわかった.このとき,S. cerevisiaeの多型解析には自動rRNA遺伝子間多型解析(ARISA)が従来の手法に比べ極めて有用性が高いことがわかった.