日本食品科学工学会誌
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高血圧自然発症ラットにおける酵素処理ローヤルゼリーの血圧降下作用機序
徳永 勝彦鈴木 和道吉田 千絵丸山 広恵二村 芳弘荒木 陽子三島 敏
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2004 年 51 巻 1 号 p. 34-37

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抄録

SHRにおける蛋白質分解酵素処理RJの血圧降下作用機序を検討した.
1) SHRに対し,ProRJ(2g/kg)を経口投与したところ,投与6時間後の腹部大動脈及び肺において,顕著なACE活性の低下がみられた.
2) ACE活性の低下がみられた腹部大動脈及び肺において,ACE阻害ペプチドであるIY,VY及びIVYが検出された.また,血漿中にもACE阻害ペプチドが検出された.
3) ProRJ投与により,投与後1時間から血漿中のアルドステロン量の顕著な減少がみられた.
ProRJを投与したSHRの特定臓器において,ACE活性の低下がみられ,また消化管よりACE阻害ペプチドが検出されたことは,ProRJ中に含まれるこれらのペプチドは,分解されずに吸収され,標的臓器に移行し,ACE活性を低下させるという機構が推測された.その結果,ProRJはRAS-アルドステロン系に影響を及ぼし,血圧降下が起こることが考えられた.

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