日本食品科学工学会誌
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北陸地域の新形質米の品質特性
小林 明晴鈴木 保宏小林 陽三浦 清之大坪 研一
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1998 年 45 巻 8 号 p. 484-493

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抄録

(1) 北陸農試稲育種研で育成された新形質米を中心に,成分,炊飯特性,糊化特性,米飯物性を調べ,各種の米と比較しながら,それらの特徴を明らかにした.
(2) 北陸147号とババタキは,炊飯特性が一般飯用米と同程度であり,糊化特性は最高粘度が高く,ブレークダウンも大きく,米飯粒は軟らかく,粘りが強かった.
(3) 北陸149号は,高蛋白含量の場合は精米白度,糊化最高粘度等が低下し,米飯が硬くなった.普通施肥の場合は,炊飯液ヨード呈色が低く,米飯物性もホウネンワセ程度であった.
(4) オオチカラは腹白米が多いために精米特性は良くなかった.炊飯時の溶出固形物が多く,ヨード呈色度も比較的高く,最高粘度は低く,米飯のtanδも小さかった.
(5) 糖質米は,精米特性が劣っているが,炊飯特性の溶出固形物が著しく多く,糊化粘度も非常に低いという特性は,発酵原料としては適していることが期待された.
(6) 以上のような特性に基づいた主成分分析およびクラスター分析によって,各種の国産および外国産米を分類することが可能となった.

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