日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
キゥィフルーッ果実のクロロフィル,カロチノイド色素について
渡辺 慶一広田 才之高橋 文次郎
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1986 年 33 巻 8 号 p. 616-620

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抄録

キウイフルーツ果実の色素をカラムクロマトグラフィー,薄層クロマトグラフィーにより分析調査した.ショ糖カラムクロマトグラフィーにより色素は7画分に分離し,それぞれの色素をカラムの吸着帯の位置,吸収スペクトル,吸収極大値からクロロフィルa, b,フェオフィチン,カロチン及びキサントフィル類と推定した.キウイフルーツ果肉のカロチンの主体は薄層クロマトグラフィーによって標準カロチノイドと比較した結果,β-カロチンと同定した.
薄層クロマトグラフィーにより,キサントフィル類は4画分に分離し,それぞれルテイン,ネオキサンチン,ビオラキサンチン及びルテイン様物質と推定した.ペーパークロマトグラフィーの結果,キウイフルーツ果実にはフラボノイド系色素は検出されなかった.以上のことから,キウイフルーツ果肉の主要色素はクロロフィルa及びbで,そのほか微量のβ-カロチン,キサントフィル類が存在した.

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