日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
ゆで麺から分離した紫色素生産菌の同定とその防止法
包装食品の微生物変敗防止に関する研究(第10報)
内藤 茂三志賀 一三山口 直彦
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1986 年 33 巻 11 号 p. 752-758

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抄録

(1) 5~10℃で保存中に生じるゆで麺の紫変現象は微生物に起因し,本菌は冷却及び包装工程での二次汚染菌でありJanthinobacterium lividumと同定した.本菌による紫色素の生産は20℃, pH 6において最適であり,生育は5℃, pH 6が最適であった.また本菌は生育及び色素生産に充分な酸素を必要とし,酸素の供給が充分でない場合には生育も色素生産も認められなかった.
(2) 今回,分離したJ. lividumは熱に極めて弱く,70℃加熱10分により完全に死滅した.また本菌のオゾン殺菌効果は2段階に分かれ,D値は10分間処理までは1.7,それ以降は5.0となった.またオゾン処理10分で色素生成が不能となり,すべて灰白色コロニーとなった.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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