日本呼吸器外科学会雑誌
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摘出時の気道管理に laryngeal mask が有用であった小児 (1歳11カ月) 気管支異物の一例
安福 和弘飯笹 俊彦田宮 敬久鈴木 洋人馬場 雅行藤沢 武彦山口 豊
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1994 年 8 巻 4 号 p. 503-507

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抄録

摘出時の呼吸管理に laryngeal mask が有用であった小児気管支異物の一例を経験したので報告する.症例は1歳11ヵ月の男児.胸部X線写真にて異常所見はなかったが, 理学的所見および現病歴より気道内異物が疑われ, 気管支鏡検査を施行した.その際, 気管内挿管を行うことなくlaryngeal mask を使用し良好な結果を得た.laryngeal mask は通常の facemask より安全かつ確実に気道確保ができるうえ, 通常の小児用チューブ挿管下では挿入不可能な, 或いは挿入できてもその内径差より充分な換気が困難な年少児に対し気管支ファイバースコープ挿入が可能である.確実な換気のもとに, 左上葉支口に嵌入していた異物 (栗) の摘出に成功した.小児, 特に年少児の気管支異物の摘出には laryngeal maskの使用により確実な呼吸管理が可能であり, 安全に施行できると考えた.

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