日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
膵癌および乳癌からの肺転移に対して2期的に切除した1例
奥谷 大介安藤 陽夫東 良平
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キーワード: 重複癌, 肺転移, 膵癌, 乳癌
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2014 年 28 巻 5 号 p. 688-692

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抄録

症例は75歳,女性.65歳時,右乳癌(浸潤性乳管癌,硬癌,pStage IIB)に対して手術,放射線療法,化学療法,ホルモン療法を施行した.69歳時,膵体部癌(浸潤性膵管癌,中分化型管状腺癌,pStage III)に対して手術,化学療法を施行した.73歳時,胸部CTにて左肺S4, S8にそれぞれ約10 mmの結節を認めたので胸腔鏡下肺部分切除術を施行した.病理学的に膵癌の肺転移と診断され術後化学療法を施行した.75歳時の胸部CTにて右肺S5に12 mmの結節を認めたので診断治療のため胸腔鏡下中葉切除術を施行した.免疫染色ではエストロゲン受容体(ER)は陽性であり今回は乳癌の肺転移であると診断した.膵癌と乳癌からそれぞれ肺転移をきたし切除した症例はわれわれが検索した限りでは報告がなく,きわめて稀である.

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