日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
反復する自然血胸をきたしたvon Recklinghausen氏病の1救命例
鈴木 仁之金光 真治徳井 俊也金森 由朗
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キーワード: 血胸, von Recklinghausen氏病
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2005 年 19 巻 1 号 p. 71-74

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抄録

症例は62歳, 女性. 安静時に突然の背部痛を自覚したため, 当院救急外来へ搬送された. Computed tomography (以下, CT) において椎体に接するlow densityな腫瘍と, 胸腔内には液体貯留が認められた. 胸腔ドレナージを行ったところ, 大量の血性胸水を排出した. そこで緊急血管造影を施行しようとしたが, 心肺停止となったため心肺蘇生を行いながら緊急手術を施行した. 出血源は第7肋間動脈で, 結紮止血後は血行動態も安定して無事独歩退院した. von Recklinghausen病に合併した自然血胸が保存的治療で治癒することは稀で, 早期に再出血を来すという報告があるため, 初回に出血を認めた時点でも積極的に手術を施行すべきであると考えられた.

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