日本呼吸器外科学会雑誌
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原発性自然気胸治療における壁側胸膜部分切除
特に胸腔鏡下手術での再発防止法としての意義
竹内 茂長田 博昭小島 宏司島田 厚栗栖 純穂横手 薫美夫山手 昇
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1996 年 10 巻 4 号 p. 440-444

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抄録

自然気胸症例における術後再発防止の為, 当科では1978年以降, 開胸手術に際し, 壁側胸膜部分切除を併用してきた。1992年以降は自然気胸症例に対し胸腔鏡下手術を第一選択としているが, 胸腔鏡下でも従来の開胸手術と同様に壁側胸膜部分切除が肝要と考え, 全例にこれを併用している.胸腔鏡導入後38例40側の自然気胸症例に対して同手術をした.壁側胸膜部分切除の所要時間は平均で10分, 出血量は術中全体でも20ml以下であり, 術後合併症として特別なものはなかった.また, 再発は40側中1側2.5%に見られたのみであった.したがって, 自然気胸症例に対する胸腔鏡下壁側胸膜部分切除術は容易かつ有用な方法であると思われた.

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