日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
ポリグリコール酸フェルトによる原発性自然気胸術後再発の予防法
卜部 憲和朝井 克之
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2008 年 22 巻 2 号 p. 142-145

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抄録

1995年7月から2005年8月までに胸腔鏡下手術を行った原発性自然気胸364例における術後2年間の再発率を検討した.2000年11月までに手術を行った自動縫合器による単純切除の前期症例群(PGA(-)群)164例と,2000年11月から2005年8月までに自動縫合器にPGAフェルトを装着し切除線被覆を行った後期症例(PGA(+)群)201例において,術後2年間の累積再発率を検討した.術後2年間の再発率はPGA(-)群で9.2%,PGA(+)群で2.0%であり,統計学的有意差をもってPGA(+)群の再発率は低かった.以上より本法はPGA(-)群をhistorical controlとするretrospective studyであり今後さらなる検討が必要と考えるが,自然気胸に対する胸腔鏡下手術における再発率低下に有用な方法のひとつと考えられた.

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