北関東医学
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原著
育児に伴うストレスマネジメントの概念分析
堀越 摂子常盤 洋子
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2018 年 68 巻 4 号 p. 233-240

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抄録

目 的:本研究の目的は,乳幼児をもつ母親の育児に伴うストレスマネジメントの概念を明らかにすることである.
方 法:国内外の34文献を対象とし,Rodgersの概念分析の手法を用いて分析を行った.
結 果:概念の属性は【育児に伴うストレス状況に応じた対処行動の工夫】であった.先行要件は【育児の中で感じるストレスの存在】【育児に伴うストレスの自覚】【育児に伴うストレスへの対処可能性の認識】であった.帰結として【育児に伴うストレスの軽減】【母親の心理的健康の維持・向上】【育児に関する自己効力感の向上】が導かれた.
結 語:本研究における概念分析の結果得られた育児に伴うストレスマネジメントの概念は,乳幼児をもつ母親が育児に伴うストレスを自覚し,ストレスへの対処が可能であるという認識を抱くことで,様々な対処行動の中から自身に適した方法を選択・実行し,実行した対処行動を振り返り修正しながら育児に伴うストレス状況に応じて対処行動を使い分け,対処行動を工夫することである.本概念を基に,育児に伴うストレスマネジメントを「育児に伴うストレスを自覚し,ストレスへの対処可能性を認識し,育児に伴うストレス状況に応じて対処行動を工夫すること」と定義した.社会環境の変化により母親の育児の負担感が増し,母親が育児に伴うストレスをマネジメントできるように支援していくことは今後ますます重要となることが予測されるため,本概念は母親支援ならびに育児に伴うストレスマネジメントに関する研究への活用性が期待できる.

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