膵臓
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原著
当院における膵癌に対するマイクロサテライト不安定性検査の現状とペムブロリズマブの使用経験
高田 良司池澤 賢治清田 良介今井 俊裕阿部 友太朗甲斐 優吾山井 琢陽福武 伸康上原 宏之蘆田 玲子片山 和宏長田 盛典本間 圭一郎大川 和良
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2021 年 36 巻 2 号 p. 120-127

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抄録

【背景】標準治療が無効となった高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する固形癌に対してペムブロリズマブが2018年12月に日本で保険承認されたが,希少であるため日本におけるMSI-H膵癌の報告は少ない.【方法】当院でMSI検査を行った切除不能膵癌184例の結果とMSI-H膵癌に対するペムブロリズマブの成績について後方視的に検討した.【結果】MSI-Hは4例(2.2%)に認め,3例に対してペムブロリズマブの投与が行われた.1例においてPRが得られ,同症例はG-CSF産生腫瘍であった.【結語】当院におけるMSI-H膵癌の頻度は2.2%と既報とほぼ同等であった.MSI-H膵癌に対するペムブロリズマブは生存期間の延長に寄与しうることから,MSI検査およびMSI-H症例に対するペムブロリズマブ療法は積極的に行うことが望ましいと考えられた.

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© 2021 日本膵臓学会
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