肝臓
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原発性肝癌の病理形態学的研究肝細胞癌の超微細構造とくにblood space (tumor vessel)の構成について
磯村 正
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キーワード: 肝細胞癌(HCC)
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1979 年 20 巻 2 号 p. 164-174

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抄録

手術により得られた肝細胞癌(HCC)8症例につき,とくにblood spaceの構成について,透過電顕所見を中心に検討を行った.内皮細胞のpore形成はごく一部に認められるのみで,隣接内皮細胞相互間には多くの場合intercellular junctionがみられた.内皮細胞基底側には,basement membrane-like substanceの形成が連続性あるいは不連続性にみられ,その厚さは種々で数層になるものもあった.内皮細胞には細胞質ヒダが発達し,marginal foldの形成がありpinocytotic vesiclesは多く,rER, mitochondriaなどの細胞内小器官はかなり発達し,活発な能動輸送を行うものと思われた.また内皮細胞の一部がpericyteにより覆われているものや,内皮細胞質内にcytoplasmic filamentsの存在するものもあった.肝癌細胞からは中等度ないし多くのmicrovilliがsubendothelial space内へ突出し,物質の取り込みを思わせる所見も認めた.以上のように,今回のHCCにみられたblood spaceの構造は正常なsinusoidの構造と異なっていた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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