2016 年 57 巻 11 号 p. 586-591
症例は71歳男性.1994年にC型慢性肝炎(遺伝子型1型)を指摘.2015年12月よりレジパスビル/ソホスブビル併用療法を開始した.治療開始から5日目に飲酒し,翌日早朝より39℃を越える発熱と,内服開始前にみられなかった不整脈が出現した.血液検査では白血球,CRPの上昇以外に大きな変化はなく,数時間で解熱して不整脈も消失した.1日のみ休薬し,翌日にも発熱,不整脈はなかったため治療を再開した.本例では過去に飲酒後にこのような一過性の高熱がみられたことはなく,また不整脈を自覚したこともなかった.これらの症候の出現にレジパスビル/ソホスブビル投与中の飲酒が影響した可能性が否定できないため,今後同様の症例の有無を調査する必要があると思われた.