2020 年 15 巻 3 号 p. 221-226
【目的】がんになった親をもつ子どもへの支援に対する看護師の現状を明らかにする.【方法】平成28年12月~平成29年2月,秋田県内のがん看護に関わる看護師を対象に支援の認識や経験,学習背景等を質問紙調査した.属性は記述統計,支援経験と属性の関連はχ2検定,Fisherの正確確率検定等を用い(p<0.05),自由記載は類似内容でカテゴリ分類をした.【結果】10施設141名(回収率:43.9%)のうち,支援が必要と思う者は135名(96%),支援経験者は28名(20%)であった.支援内容は[子どもへの直接的支援][親を介した支援][リソースへの連携調整による支援],支援上の困難は「子どもへの介入」が最多で,「子どもと会えない」も挙がった.【結論】子どもへの支援経験者は少数のため,具体的な支援方法を学び,他職種との情報共有をすることで支援の充実を図り,子どもに会えない場合には親を通した支援が必要である.