日本畜産学会報
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蛋白質高レベル飼料の給与マウスにおける肝臓のエストラジオール不活性化能について
田上 末四郎田村 泰彦阪川 千裕
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1988 年 59 巻 6 号 p. 483-489

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抄録

高蛋白質飼料を30日間給与した性成熟雌マウスの肝機能を調べると共に,肝臓におけるェストラジオール(安息香酸エストラジオール;EB)の不活性化能を,幼若マウスの子宮重量反応を応用して調べ,対照飼料を給与した場合ならびに四塩化炭素を投与した場合と比較検討した.高蛋白区の肝機能は,四塩化炭素区も場合と同様,対照区に比較して明らかに低下した.また,インビトロで測定した肝臓組織のEB不活性化能は,対照区に比較して,高蛋白区および四塩化炭素区では低下した.これらのことは,高蛋白区の肝臓では,人為的に肝機能障害を発生させた四塩化炭素区と同様に,肝機能の低下に伴うEBの不活性化が生じているものと判断された.以上のことから,高蛋白質飼料を給与した際に発生する繁殖障害には,肝機能の障害に伴うエストラジオール不活性化能の低下が関与したものと考えられる.

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